▲工房に保管されている100年以上前の「背負子(しょいこ)」と「鉈入れ」。背負う人の背中の形に合わせ丸みをおび、手の油により艶を増し、黒光りしています。

長く厳しく、雪深い米沢の冬。
奥羽の豪雪の中で耐え抜き、生まれ、育った山ぶどう蔓籠は、しなやかで丈夫であり弾力性に富んでいます。古来より「山ぶどう100年」と言われ、山師達の鉈入れ、背負い子などに使われました。長く使い込んだ籠は光沢を増し、墨色となります。

同じ山ぶどうでも、外国産と国産のものは性質が異なり、外国産の山ぶどうは“紙”にたとえられ、国産の山ぶどうは“ゴム”にたとえられるほど、強度に差があります。 


山ぶどう蔓カゴのできるまで

1.蔓を採る

山ぶどう蔓の採集時期は、梅雨の頃(約2週間)だけと限定されています。
収穫出来る蔓に成長するまで約三十年以上かかる為、毎年山奥深く入らなければなりません。険しい山道を山葡萄の蔓を探して進みます。時には危険を冒し、稀少な山ぶどう蔓を採集します。

高いところもなんのその!手際よく登っていきます。*

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2.蔓の皮を剥ぐ

山葡萄の蔓を見つけると、仲間と協力し合い採集していきます。専用のはしごで、ずいぶん高い木にも登っていきます。
採集した蔓は、その場で皮を剥ぎます。梅雨時期の水分をたっぷりと吸い上げた蔓の皮はするすると剥がす事が出来ます。
高いところも手際よく登って行きます!絶妙なチームワークで蔓を切っていきます。
足場の悪いなか、蔓の皮を剥がしてきます。足場の悪いなか、蔓の皮を剥がしていきます。

3.運ぶ

採集した大切な蔓を、背中いっぱいに背負って運びます。水分をたっぷり吸収しているので、ずっしりと重みがあります。
「今日もたくさん採らせて頂きました。」山の神様に感謝です。
蔓を背負って、全員で並んで山を下ります。蔓を背負って、全員で並んで山を下ります。
足場の悪いなか、蔓の皮を剥がしてきます。「今日は大漁だなっし!」みんな大満足の笑顔!

4.乾燥させる

水分を多く含んだ蔓を、天日干しで乾燥させます。

5.蔓切り

蔓を同じ巾に切りそろえます。厚みも均一なものを選ぶため、採集してきた蔓を全て使えるわけではありません。


約7mm巾(細いものでは3.5mm巾)に切り*
そろえます。熟練の技が必要とされます。

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6.編む

切りそろえた蔓は、水に浸し柔らかくしてから編む作業に入ります。
木型に固定して、編み目が緩まないようにしっかりと、編み目を詰めながら編んでいきます。
かご編みの中でも一番難しいふち編みは、職人の腕の見せどころ。仕上がりの良し悪しが現れる部分です。
技も力も必要。職人の手は傷が絶えない。技も力も必要。職人の手は傷が絶えない。
木型は重く、これを抱えて編むのも大変な作業。木型は重く、これを抱えて編むのも大変な作業。

採集から完成まで、職人の心のこもった手仕事。出来上がった時の喜びもひと塩です!
そして手塩にかけた愛情で、美しく艶やかに輝くでしょう。どうぞ、幾久しく大切に育ててください。

お手入れイメージ

山ぶどう蔓カゴのお手入れ方法

  1. 常のお手入れは、手で擦るだけで結構です。
    (擦るほど艶と風合いが増します。)
  2. 雨や水に濡れた場合は乾いたタオルで拭いてください。(厳しい自然の中で育っているので水分には非常に強いです。)
  3. 通気性のよい場所に保管してください。
    たとえば、使わない時はドライフラワーなどを入れインテリアとしてもお楽しみいただけます。